先週末、拙寺と同じ黄檗宗内のある寺院の前住職の「本葬」に参列させて頂きました。
近年では大企業の役職に就かれた方の社葬くらいでしか見られなくなりましたが、
ある方が亡くなってすぐに行う葬儀を「密葬」、
亡くなって四十九日や一周忌等の機に故人と御縁のあった方がなるべく大勢参列できるように
御遺骨を祀って改めて行う葬儀を「本葬」と呼びます。
僧侶ならば皆行うことができるということではありませんが、
生前多大な御利益・御功績を残された方はそのような形で多くの方に送り出して頂けるわけです。
昨今ではコロナ禍等の事情もあり、
葬儀の規模を大きくすることは憚られる、という考え方が多数派かと存じます。
その事自体はやむなく、また御時勢を鑑みた賢明な選択である事も事実です。
しかし、出家し僧侶となったか在家のままか、また実際に本葬が行われるかどうかに関わらず、
人生の最後の時に多くの方に送り出したいと自然に感じて頂ける人間であり続けられるよう、
浄い生き方を常に考え続けていくべきであると思います。