令和2年度のお盆に関する行事も、ようやくひと段落となりました。
本年はコロナ禍の影響で、お盆のご供養にも様々な影響が出ました。
特に8/9の施餓鬼法要は既にお伝えしていた通り、二転三転した結果僧侶二人のみで執り行いました。
皆様にご参列頂けなかった代わりと申し上げるのも憚られますが、
東輪寺の僧侶・スタッフのみで法要を行った為、法要中などの写真を撮る余裕ができました。
本HPでそれらをお見せしながら、ご報告をさせて頂きます。
宜しければご覧になって下さい。
↑例年通り、本堂の正面に紫幕を張りました。
両側に見えているのは拙寺の所属する黄檗宗が伝来以来庇護を頂いた、徳川家の家紋「葵の御紋」です。
本堂内です。
参列者がおられない為や僧侶同士の距離を保つ為の机・椅子・襖の有無を除き、
当然ながら例年と同様に本堂内を荘厳(準備や飾り付け)致しております。
手前にある「瑜」「伽」「道」「場」の四つの札は、『啓建』と呼ばれています。
漢字の意味のごとく、執り行う法要について知らしめる為に、お堂の正面や山門に設置しておくものです。
「瑜伽道場」とは、拙寺の施餓鬼で読まれるお経『瑜伽焔口経』の為荘厳された場、という意味です。
『瑜伽焔口経』は、お釈迦様の弟子阿難尊者の逸話に依る、あらゆる魂に施しをせよという教えの説かれたお経であり、
黄檗宗の「施餓鬼会」で全国的に諷誦されているものです。
奥には、「若人欲了知」「三世一切佛」「應観法界性」「一切惟心造」の四句が架けてあります。
黄檗宗の晩課などでも諷誦される一連のお経の最初にある四句であり、
「もし仏様の心を知りたいならば、この世界の本質は全て自身の心が思い造ったものであると観なさい」
というような意味です。
施餓鬼法要で荘厳する「餓鬼檀」です。
「施餓鬼」という字の如く、この法要の意義である餓鬼を含めありとあらゆる魂にお供え物をするという行為の象徴です。
中央には全ての魂という意味である「三界萬霊」の位牌、たくさんの餓鬼に施しをする為大きく盛り付けられた「餓鬼飯」、
そして周りに様々な種類の果物や野菜をお供え致しております。
お盆に合わせて行う為、皆様がお盆にご自宅で精霊棚にお供えされるキュウリの馬、ナスの牛などもございます。
周りには卒塔婆をお立てし、法要内でのご供養の中でまず最初にここでお清めを致します。
法要が始まってからの流れは、次以降のお知らせ記事をご覧ください。
※ 卒塔婆に書いてある戒名や施主様のお名前は個人情報である為、画像を処理してあります。
※ お経の意味の解釈は、諸説あるうちの一つです。